研究課題/領域番号 |
20520394
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
船津 誠也 県立広島大学, 学術情報センター, 助教 (30275383)
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研究分担者 |
今泉 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
林 良子 神戸大学, 国際文化学部, 准教授 (20347785)
藤本 雅子 国立国語研究所, コーパス開発センター, 非常勤研究員 (30392541)
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キーワード | 子音クラスタ / 母音挿入 / 母音無声化 / 調音運動 / 声帯振動 / EMA / EGG / PGG |
研究概要 |
無声母音および非無声母音、さらに子音クラスタ発話時の舌の調音運動をEMA(電磁的調音運動記録装置)により計測した。母音の無声-非無声発話においては、EMA計測と同時にEGG(電気式喉頭計)およびPGG(光電式喉頭計)による計測も行ない、母音の無声-非無声の実現は舌の調音運動によるのではなく、主に声帯振動の有無により達成されていることを明らかにした。(結果は日本音響学会春季研究発表会にて発表した。European Acoustic Associationにも掲載予定である。)さらに母音の無声非無声調音に関連し子音クラスタ発音時の舌の調音運動を計測した。一般に日本語母語話者は子音クラスタを正確に発音できずクラスタ中へ母音を挿入して発音する傾向があることが分かっている。子音クラスタ調音時の舌の運動をドイツ語母語話者および日本語母語話者について計測したところ、ドイツ語母語話者においてもドイツ語に存在しない子音クラスタの発音時には高確率で母音が挿入された。ドイツ語母語話者および日本語母語話者の発音解析から、子音クラスタ発音は、舌の調音運動および声帯振動の有無の点から次の4種類に分類できることが明らかになった。(1)舌が母音の調音運動を行ない、声帯が振動する。(2)舌は母音の調音運動を行なうが、声帯は振動しない。(3)舌は母音の調音運動を行なわないが、声帯が振動する。(4)舌は母音の調音運動を行なわず、声帯も振動しない。(1)および(3)では母音挿入が生じた。母音無声化および子音クラスタ中への母音挿入には、舌の調音運動とともに声帯振動の有無が大きく関与していることが明らかになった。(結果をInterspeechに投稿中である。)
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