• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ウイグル語仏典断片の文献学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520400
研究機関京都産業大学

研究代表者

庄垣内 正弘  京都産業大学, 文化学部, 教授 (60025088)

キーワードウイグル語仏典 / ロシア所蔵品 / ストックホルム所蔵品 / ベルリン所蔵品 / 阿毘達磨倶舎論 / テキストエディション / ウイグル漢字音 / 文献学的研究
研究概要

本研究は、ロシア所蔵ウイグル語仏典断片を整理し、翻訳原典の同定とテキストエディションを行うことを主たる目的とし、ロシア以外の国に保管されている同一あるいは類似の内容をもつウイグル語仏典をも平行して考察することである。今年度ロシア所蔵ウイグル語仏典の同定作業に関しては28ページからなる小冊子(Kr.IV872)に書かれた仏典の転写・翻訳をなした。この仏典の原典は不明であるが、密教部のいくつかの経典の内容を含む。手持ち写真の不明部分をサンクトペテルブルグの東洋文献研究所で確認した。この文献については解説を加えて出版したい。また、その調査過程で敦煌出土漢文に傍注として書かれている不明文字を発見し、帰国後整理してみた。形態上は契丹文字に似ているが、いずれの文字も同定できなかった。引き続き分析を進めたい。昨年度に転写および漢文との同定を終えたスエーデン国立民族学博物館所蔵の『アビダルマ倶舎論』(約2000行)のテキストエディションが予想以上に難解であり、英訳に手間取ったが、ほぼ完成した。後は語彙を整理し解説を施して出版準備を完了する。ベルリン所蔵品についてはウイグル文字で書かれた漢文冊子本(U5335)の解明に努めた。内容は礼讃文、懺悔文さらに「入阿毘達磨論」の頌等を含んでおり、漢語音写形式の約80パーセントは対応漢字に同定できた。漢字音は唐末・五代の西北漢語音の体系をもつ「ウイグル漢字音」であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Fanwangjing梵網経(Brahmajala-sutra):A Chinese text transcribed in the Uighur script2009

    • 著者名/発表者名
      Shogaito Masahiro
    • 雑誌名

      『突厥語文学研究-耿世民教授八十華誕記念文集-』中央民族大学出版社 北京

      ページ: 426-434

  • [雑誌論文] ロシア所藏のウイグル文『入阿毘達磨論』注釋書斷片2009

    • 著者名/発表者名
      庄垣内正弘
    • 雑誌名

      『チュルク諸語における固有と外来に関する総合的調査研究』CSEL 15

      ページ: 81-118

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi