本研究は中国語方言にグロットグラムの手法を適用することによって、言語変化の様相を明らかにしながら、変化を促す社会的諸要因を解明することを目的とする。今年度は計画どうり進んだ。 まず、一次調査のために約500項目より成る予備調査票を作成し、そして、本調査票を作成した。調査票は、代表者・石汝杰が原案を作成し、分担者・岩田礼と協議の上、確定した。 12月下旬から全対象地点49のうちから任意の10地点を選び、一次調査(予備調査)を実施した。3月中、蘇州と無錫を結ぶ312国道沿線の数個地点と常熟近郊の数箇所について、グロットグラムのための本調査を実施する。 本調査対象地域の方言については、従来も多数の調査報告が公刊されている。それらの言語データ情報を予備調査票、本調査票の各項目について整理し、データベース化する。データ入力ツールは岩田等が構築してきたPHDシステムを一部改良の上利用する。地図は福嶋秩子氏作成のSEALを利用する予定であるが、白地図作成等の基礎作業を完了する。また調査データのグロットグラム化のためのプログラムを作成する。以上は、研究分担者・岩田礼が担当する。 1月末、調査項目、地図・グロットグラムの設計等に関する研究打合せ会を熊本で開催した。
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