本研究は中国語方言にグロットグラムの手法を適用することによって、言語変化の様相を明らかにしながら、変化を促す社会的諸要因を解明することを目的とする。今年度は計画通り進んだ。 去年の調査の基礎のもとで、代表者・石汝杰が劉艶さんらの補佐をえて、調査を続けた。 8月初めからの約3週間を利用して10数個地点を調査した。二回目は3月のはじめの一週間、蘇州と無錫を結ぶ312国道沿線の数個地点に調査を実施した。8月の末、一回目の調査が終わるところで、コンピュータが突然故障したため、調査資料のデータは半分以上無くなった。大損失になった。 本調査対象地域の方言については、従来も多数の調査報告が公刊されている。それらの言語データ情報を予備調査票、本調査票の各項目について整理し、データベース化する。データ入力ツールは岩田等が構築してきたPHDシステムを一部改良の上利用した。地図は福嶋秩子氏作成のSEALを利用し、白地図作成等の基礎作業を完了した。また調査データのグロットグラム化のためのプログラムを作成した。以上は、研究分担者・岩田礼が担当する。 1月中、調査項目、地図・グロットグラムの設計等に関する研究打合せ会を熊本で開催した。
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