本年度においては研究の最終段階として以下のような作業を進めた。 (1)前年度の調査で獲得した資料を引き続き分析し、コンピュータに入力した。 (2)新出契丹大字と契丹小字を電子化し、既存のデータベースを拡充した。 (3)入力済みの契丹文字資料に見える単語を引き続き解読している。 (4)従来推定しえなかった一部の表意字と表音字の音価を新たに復元した。 (5)解読した大量の単語によって、墓誌文の国際音声記号による転写並びに墓誌文の全訳を引き続き行っている。 (6)本年度の調査対象は引き続き契丹文字資料が大量に出現する中国内モンゴル自治区を重点区域とした。さらに、戦前の日本人学者が韓半島で収集した契丹文字資料を韓国国立中央博物館などで調査しデータベースに収めた。 (7)研究報告書を取りまとめつつある。
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