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2009 年度 実績報告書

日本手話のコーパスによる類辞構文研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520405
研究機関神戸市立工業高等専門学校

研究代表者

今里 典子  神戸市立工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (90259903)

キーワード日本手話 / JSL / 文法化 / 連続動詞 / 類型論 / 移動事象 / 構文 / 類辞
研究概要

日本手話(以下,JSL)における「行く/来る」を含む連続動詞構文を、ネイティブ・サイナーを対象に映像データとして撮影し記述を行った。分析の結果、以下の事を明らかにし、論文等で発表した。
(1)JSLにおいて2つの動詞V1+V2が並ぶ動詞連続で、V2として「行く・来る」があらわれるSVC(連続動詞構文)は、5つのタイプ:1)Manner(様態),2)Concomittance(付随),3)Purposive(目的),4)Cohortative(勧誘),5)Imperative(命令)が区別される。
(2)これら5つのタイプにおけるV2「行く」は、その音韻、形態、そしてゴールへの一致などに関して段階的区別があり、1)から5)へと文法化のプロセスを踏んでいる。
(3)5つのタイプにおけるV1の意味にも制約があり、様態タイプには様態移動、付随と目的タイプには行動、勧誘と命令タイプには様態移動と行動のどちらの動詞も現れる事ができる。
(4)(3)の事実は、Shibatani(2007)で提案された仮説、つまり音声言語における文法化を容易にさせる環境条件に合う。
(5)手話言語(JSL)の移動動詞をV2として含む連続動詞構文では、V2が文法化し、目的、勧誘、命令のような文法標識を作り出す。このような文法指標を作り出す過程は、手話言語に特有な現象ではなく、音声言語にみられる普遍的な変化である。
(6)さらに移動動詞「来る」だけに、連続動詞構文という環境以外に文法化のプロセスが見られ、新たに確実性の高い予測や未来の意味の文法指標が出現する事も指摘した。同様のプロセスは音声言語にも観察される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Serial Verb Constructions in JSL :'go'&'come'2009

    • 著者名/発表者名
      今里典子
    • 学会等名
      Colloquium, The Department of Linguistics, Rice University
    • 発表場所
      アメリカ テキサス州
    • 年月日
      2009-03-11
  • [図書] ことばの対照2009

    • 著者名/発表者名
      岸本秀樹(編)
    • 総ページ数
      361
    • 出版者
      くろしお出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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