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2010 年度 自己評価報告書

日本語動詞の形容詞的用法の獲得過程に関する通史的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 20520409
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 日本語学
研究機関名古屋大学

研究代表者

釘貫 亨  名古屋大学, 文学研究科, 教授 (50153268)

研究期間 (年度) 2008 – 2012
キーワード分詞 / テンス / アスペクト
研究概要

古代語の分詞的用法の採集と分類によってタリの排他的優勢を論証し、中世以後の過去辞のタリー極収束の原因を突き止める。万葉集に代表される奈良時代語資料においてキ・ケリ・ツ・ヌ・タリ・リの過去辞の中で分詞用法に組織的に介入できるのはタリだけであった。平安時代以後上記の過去辞が全体的に分詞用法に介入できるようになった。しかし、タリが過去分詞用法に単体で介入するという顕著な性格を持つのに対して、テンス形式であるキ・ケリが分詞用法に介入する場合「アリケル、ナリケル、ザリケル、カリケル」のごときアスペクト諸形態と共起する傾向が強く、単体での分詞用法の増産が抑制されていた。リは、文脈から項を引きこむ性格が前代に引き続いて濃厚であるが分詞用法もある程度進出し、上代からある無標識分詞(咲く花)、現在分詞(咲ける花)、過去分詞(咲きたる花)のユニークな鼎立関係が確立した。また、古代語では分詞に転用される動詞は自動詞に偏っていたが、平安時代以後漢文訓読の影響で受け身助辞を介入させて「殺されたる人」のように自動詞に転用する表現が開発され、その際にもタリ介入例が圧倒的優位を占めた。古代語における分詞用法に介入する過去辞の中でのタリ単独介入例の優勢が、中世以後の過去辞における「タ(ダ)」一極収束の原因になったことを展望し、論証する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 日本語ヴォイスの歴史的成立と展開について2010

    • 著者名/発表者名
      釘貫亨
    • 雑誌名

      日本語テクストの歴史的軌跡(名古屋大学グローバルCOEプログラム「テクスト布置の解釈学的研究と教育」第8回国際研究集会報告書、名古屋大学大学院文学研究科

  • [雑誌論文] 『源氏物語』における過去分詞的名詞修飾一典型2009

    • 著者名/発表者名
      釘貫亨
    • 雑誌名

      HERSETEC(名古屋大学グローバルCOEプログラム論文集2、名古屋大学 VOL.2

  • [学会発表] 平安時代語における過去辞が介入する名詞修飾の特徴2009

    • 著者名/発表者名
      釘貫亨
    • 学会等名
      日本語学会平成20度秋季大会
    • 年月日
      2009-11-01
  • [学会発表] 日本語ヴォイスの歴史的成立と展開について2009

    • 著者名/発表者名
      釘貫亨
    • 学会等名
      名古屋大学GCOE プログラム国際研究集会
    • 発表場所
      カレル大学、プラハ、チェコ共和国
    • 年月日
      2009-09-05

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公開日: 2012-02-13   更新日: 2016-04-21  

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