研究課題/領域番号 |
20520425
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研究機関 | 神戸松蔭女子学院大学 |
研究代表者 |
村上 敬一 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (10305401)
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研究分担者 |
二階堂 整 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
太田 一郎 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (60203783)
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キーワード | 九州方言 / グロットグラム / 社会言語学 / 方言学 / 福岡方言 / 熊本方言 / 鹿児島方言 / 佐賀方言 |
研究概要 |
今年度は、9月に熊本県水俣市と鹿児島県出水市で調査を行うべく、春より準備に取りかかった。両市を最初の調査地点に選んだ理由は、九州新幹線の部分開通から5年を経て、その影響を最も大きく受けていると考えられたからである。 調査の準備として、5月から8月にかけて面接調査票を作成した。先行研究を踏まえ、熊本、鹿児島方言の独自性、九州方言の均一化(福岡方言化)、全国共通語化などを明らかにするための項目を網羅すべく、三者で協議を重ねた。9月半ばには、水俣市民、出水市民の協力を得て、面接調査を実施することができた。被調査者数が目標を若干下回ったので、引き続き調査を重ねて11月には両地点で150名を超える方にご協力いただけた。これと並行して、調査結果の入力と分析を進めた。新幹線の開通による人的交流が、当該方言の変化を強く促したと思われる事例が明らかになった一方で、熊本方言、鹿児島方言の根強い独自性も浮かびあがるなど、言語一般の変化・接触・干渉・融合などのメカニズムを理論的に解明するための重要なデータを得ることができた。 1月から3月にかけては、20年度調査のまとめと、21年度調査の準備を開始した。20年度調査の結果と概略については、手直しを加えてできるだけ早い段階の公開を目指している。21年度は北部九州の調査も加わり、調査実施にもっとも比重がかかる。調査票作成のための基礎資料を丹念に収集するなど、その準備も怠りなく進めることができた。
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