今年度は、本研究的初年度であり、L2語者により英語イントネーションの学習可能性を探るため、学習ソフト制作にむけそのデザインをするという計画を立てた。 成果としては、学習ソフトの開発が順調に進み、予定より早く実際の製作にまでこぎつけた。このソフトは英語母語話題のモデル音声とそのF0曲線が表示され、学習者はモデル音声を聞いて自分の音声を産出、録音し、自分の音声のF0曲線を目で確認して、モデル音声との違いを耳だけではなく目でも確認できるというものである。 作成のデザイン、理論的背景、意義については、日本英語学会第26回大会シンポジウムで、共同研究者3名が発表する機会を得、成果を世に問うことができた。 予定より早く学習ソフトが作成できたので、学習実験も計画を繰り上げ、10月から1月にかけ4ヶ月間にわたり実施することができた。英語学習者15名の規模で学習実験を行い、現在その結果を解析中であるが、日本語を母語とする英語学習者は、1)音声の持続時間が母語話者の半分から3分の2程度くらいしかなく、2)ピッチの幅も概して狭いか、広すぎるかのどちらかで、母語話者のような「適切」なピッチを作ることができないことが分かってきた。また3)文法上の知識があってもそれを音声に反映することが苦手である、という暫定的な分析結果を得ている。
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