研究概要 |
1. 例示や回顧促進の機能を果たすas in様能を表すas inの延長線上にある2つの用法を報告した。1つ目は,例を挙げるときに,「(たとえば)…みたいに」の意で用いられる用法で,(1)Food stripped of its nutritional value--as in fast food, refined foods, frozen foods, processed foods, etc. --is highly imbalanced and therefore creates an imbalance in our bodies. (BOE : brbooks/UK. Text : BB-Ff012260)のように,理解を助けるための単なる例示機能に変化したもので,as inの直後にコンマを伴う場合は,文法的にも独立性が高まり,後に続く要素は句だけでなく節も現れる。2つ目は,話し言葉で,聞き手との共通知識を前提に,特定の事項を思い出させようとするときに「例の,あの」の意で用いられる用法で,(2)"You haven't seen Mark, have you?" "As in, your ex? Why would he be here?" "I invited him."(Tru Calling, Episode 1-07)のように,as inの独立性が高く,多くは文頭でコンマを伴って用いられる。 2. 特定の状態への移行を表すcome to [into] NP comeには後ろにto NPまたはinto INPの形を従えて,特定の状態への移行を表す用法がある。本研究では,toが選択される場合とintoが選択される場合とでは後に続くNPにどのような相違が見られるかを明らかにした。若干の重複は見られるものの,come toは,come to terms(合意に達する),come to an end(終わる),come to conclusion(結論に達する)など,最終到達状鯨を意識する表現となる場合に好まれるのに対して,come intoは,come into force [effect].(<法律などが>発効する),come into play(機能し始める),come into existence(生まれる)など,物事の開始を意識する表現となる場合に好まれる傾向があることを示した。
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