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2010 年度 実績報告書

言語生成のゲーム理論的再解釈

研究課題

研究課題/領域番号 20520445
研究機関盛岡大学

研究代表者

高橋 幸雄  盛岡大学, 文学部, 教授 (30154876)

キーワード理論言語学 / ゲーム理論 / 音韻論 / 意味論 / 人文科学
研究概要

言語生成が、言語生成装置間のゲーム理論的相互作用の最適な出力として説明されるという可能性を理論的に明らかにするということが本研究課題の目的である。この課題の執行によって次の点が明らかになった。(1)言語進化という現象は、文化という環境との相対的な関係において幾つかの指定可能な言語変化の可能性(候補)の中から選択されるという現象であるということ(これを「文化選択による言語進化」と称する)、(2)言語生成装置からの候補群の中から最適な出力を得る際に候補群間の相互互恵的な関係(win-win situation)が高く評価され決定されるということ、(3)言語生成装置からの候補群からの選択が行われ何らかの言語的操作が加えられる際、その選択を補完する言語生成のための操作が為されることがある、ということ、(4)命題内容の真理判定が節同士の接続に際して機能し、文全体の意味解釈の決定に関与していく、ということを明らかにした。(1)については日本語の「ら抜き言葉」の広がりの事例、(2)については、英語の「低次元レベルの音声交替」(帯気音化、弾音化、声門音化)からの事例、(3)については日本語の高段母音に見られる無声化あるいは削除の事例、(4)については英語のso that構文とwhen節の事例から論拠を提示し、全体の構想の論証を試みた。
本研究から得られる理論的な帰結は言語生成の中心的な装置の構成に関わるものであり、その理論的な波及ば広範囲に及ぶものである。言語的操作自体が手続き的知識の深奥に位置づけられている可能性があるが、その内部構造を科学的な論理によって解明していくことを可能にするものである。今後は言語コミュニケーションを総体として捉えることで、このようなゲーム理論的再構成が如何に可能かを見極めるという課題を取り上げ、形成可能な研究者集団によって解明が進められることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] An Intended Ambiguity to Avoid Face-Threatening Acts2011

    • 著者名/発表者名
      Yukio Takahashi
    • 雑誌名

      Linguistic Theories and Their Application

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語音声の音色の科学2011

    • 著者名/発表者名
      高橋幸雄
    • 雑誌名

      言語教育研究(青山社)

      巻: 4 ページ: 25-31

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://hc3.seikyou.ne.jp/home/langue/t_yukio/index_tyukio.htm

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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