視覚障害のある学生に英語らしい読み方を習得させるために、「ブライユ点字」に派生する「発音記号点字」や「イントネーション点字」の有効性を認めた上で、さらに音声学の専門的な立場から研究した結果、英語の発音記号やリズム記号、イントネーション符号をそのまま凹凸により点字化して、指先で触れることにより、英語の音価、強弱差や高低差を、より正確かつ効率的に理解し、習得させることが、研究協力校での実践を通して可能であることが分かった。この新しい方法は、記号や符号を凹凸によりそのまま点字化するため、発音記号点字やイントネーション点字に置き換える必要がなく、結果的に教員の負担を軽減させるなど、画期的な音声指導が可能となった。一例として、凹凸の記号や符号を片方の指先で触れながら、同時にもう一方の指先で英文点字に触れ、それと並行して、テープによる音声や教員の発音を聞き、効率的な音声指導ができることも判明した。研究協力校での研修を通して、現場の先生方から、使い易いように発音記号を簡略化し、限定してほしい、との指摘がなされたことを受け、英語の発音記号やイントネーション符号を選定し、実際に有効活用できるものに制限する作業を行った。本研究により、視覚障害学生の英語発音指導を根本的に改善できることが分かり、学生側の発音に対する苦手意識が克服できると考える。今回特に、市販の点字式パソコンと点字専用プリンターであっても、工夫し活用することにより、イントネーション符号をそのまま凹凸での点字化に成功し、有効性を研究協力校にて実証できた。研究成果を日本英語音声学会の研究大会等にて内外に公表した。
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