研究概要 |
本年度は、まず日本語音声の教授・学習場面における多様な発話データが収集できる環境整備に着手した。特に,継続的なデータ収集を可能とするために,研究代表者の所属センターの教室にデータ収録設備(IPネットワーク映像監視システム)を設置し、多様なデータを長期的に収集することが可能となった。現在、データ収集の試行を行なっている。同時に,ビデオカメラの持ち込みによるデータ収集についても試行し、目的に応じた適切なデータ収集の可能性を検討した。データ収集に際しては、主に、近年ではe-Learningシステムなど,音車教育・学習支援のためのコンピュータ利用が盛んに検討されているため,本代表者と連携研究者で開発した音声教育支援システムやコンピュータをはじめとするマルチメディアの利用場面において行なった。 並行して、収集した発話データを分析するための質的アプローチの検討を行なった。近年,教授・学習場面における学習者の理解プロセスや授業の展開構造の詳細を明らかにするために,参加者の発話を記録し分析する手法が検討されている。本年度は研究協力者と連携した談話分析アプローチによる検討と、学習科学による検討を行なった。特に,学習科学は教育実践の現実の中で見出した問題を科学的に分析・吟味・理論化し、それを再び教育実践の現実に還元しようとする実践的な理論であり、本研究成果を最大限に発揮させる上で有効なアプローチとして検討を継続する予定である。
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