4月から7月にかけて、中国赴日留学生予備学校で渡日前の予備教育をうけている漢族の日本語学習者約80名の文法テストの項目別分析をおこなった。分析の結果を3月に東京外国語大学留学生日本語教育センター論集に発表した。従来経験的に認識されていた中国人日本語学習者の特徴をある程度数値化することに成功した。 5月、中国赴日留学生予備学校で渡日前の予備教育をうけているウイグル人日本語学習者18名に対して学習観に関する面接調査を実施した。そのうち1名について、追跡面接調査とキーボード入力過程調査を2月に東京で実施した。そのほかに2名のウイグル人日本語学習者について、東京で面接調査とキーボード入力調査を実施した。 9月から3月にかけて、来日後の留学生を対象として、日本語作文のキーボード入力過程調査と、学習環境と学習観に関する出張面接調査をおこなった。調査を実施した機関は、室蘭工業大学、岩手大学、山形大学、新潟大学、東京外国語大学、山梨大学、名古屋工業大学、静岡大学、和歌山大学、徳島大学、JASSO大阪日本語教育センターである。資料を提供した留学生は93名で、そのうち重点的にターゲットにしたマレー系マレーシア人留学生は58名である。DVDに録画されたキーボード入力調査の結果の分析を現在すすめているところである。面接調査の録音は、すべて文字おこしがおわり、分析をすすめている。キーボード入力過程の分析の結果、「作文のかきかえ」という観点から、マレー系マレーシア人留学生の日本語学習の特徴があきらかになった。成果の一部を5月に異文化間教育学会で発表する予定である。
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