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2010 年度 実績報告書

日本語教育の効果を高める言語不安の制御方法とそれをふまえた教授スキル訓練の方法

研究課題

研究課題/領域番号 20520462
研究機関一橋大学

研究代表者

西谷 まり  一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (80281004)

キーワード言語不安 / 不安の捉え方 / 学習方略 / e-learning / 教授スキル
研究概要

従来の言語不安に関する研究は言語不安の高低に着目しているが,本研究では不安反応の解釈,失敗の効用の認識に着目して,学習方略指導の側面から働きかけを行うe-learning教材を開発し,その効果を検証した.働きかけの対象として学習方略使用を選び,そこに働きかけることで,情意的側面の改善を図り,それが再び学習方略使用の促進へとつながるというスパイラル的関係を想定した.学習方略を指導しながら不安反応の解釈を変化させるという指導方略を考え,方略指導の無い統制群,方略指導を行う実験群に分けてe-learning教材で実験を行った.教材の内容は日本語教育における待遇表現の指導であり,対象者は上級日本語学習者である.事前-事後調査の比較では,不安反応の解釈は実験群と統制群とでは有意に差があり,実験群は不安を促進的に捉える傾向が高まることが明らかになった.今回の実験で実験群と統制群の大きな違いは,「失敗の効用を認識」の変化である.統制群では若干上がっているが有意な差が見られないのに対して,実験群では有意に上がっている.さらには,最も指導を行うべき対象である不安高・原因帰属高・失敗の効用を認識低の学習者では,実験群では統制群より事後テストの伸び率が高くなっているほか,実験群の「失敗の効用を認識」が若干であるが高くなり,「失敗を不安に原因帰属」する傾向は有意に下がっている.これにより,日本語教師は学習方略を指導することにより,不安反応の解釈を変化させ,学習効果を高めることが可能であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 言語不安とその捉え方に着目した学習方略使用促進のための指導方略の効果2010

    • 著者名/発表者名
      西谷まり
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      ページ: 71-78

  • [学会発表] 言語不安とその捉え方に着目した学習方略使用促進のための指導方略の効果2010

    • 著者名/発表者名
      西谷まり
    • 学会等名
      日本教育工学会
    • 発表場所
      大分大学
    • 年月日
      2010-12-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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