本研究の目的は、富山のような外国籍年少者が広い地域に散在している地域の支援に着目し、子ども達の周辺に集う様々な人々を巻き込み、国籍や役割を超え、地理的にもばらばらに存在する支援の力を集め連携を結ぶ試みを行うこと、学習環境のデザインの可能性を探ることであった。翻訳教材作成プロジェクトを企画し、実際の活動における人々の関わり方を記録、分析、考察を行った。 1)翻訳教材作成プロジェクト (1)小学校国語教材「アップとルーズで伝える」(光村図書4年下)の翻訳作業を行った。これまでの母語学習用ワークシート。日本語学習用ワークシートを統一企画のものに改善した。小学校国語教科書翻訳教材『どっちから勉強する?日本語?母語?』を2011年3月30日に発刊した。(「白いぼうし」「一つの花」「ごんぎつね」「アップとルーズで伝える」5カ国語翻訳、粗筋理解のためのイラスト、母語学習用ワークシート、日本語学習用ワークシート) (2)翻訳教材に携わる者で、翻訳の仕方や問題点を話し合う勉強会を1回行った(9/26)。 2)HPの他、メーリングリスト(現在参加者31名)も運営し、情報のやりとりに役立てた。 3)2/19、小貫大輔氏(東海大学国際学科准教授)を迎え、「移動する子どもたちの「今」と課題:ブラジル⇔日本」と題して研究集会を開催した。 4)一連の活動の分析、考察をまとめ、『研究成果報告書』を2011年3月30日に発刊した。(外国籍年少者のための学習デザインの試み、支援の形への提言、翻訳教材とワークシート、地域の人々の変容)
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