本研究は、在日外国人のための日本語学習支援ツール『日本語ポートフォリオ』(JLP)を開発し、ユーザーである学習者と学習支援をするボランティアへのサポート・システムを構築するという長期的なプロジェクトの一部である。本研究の目的は、在日外国人の日本語習得を支援するボランティアが、学習ツール『日本語ポートフォリオ』を使いこなせるようになるまでにはどのような学びの過程を経るのか、その過程で必要なサポートはどのようなものかを明らかにすることである。本年度は以下の作業を行った。 1. 調査 3名のボランティアの協力を得て、それぞれに関して以下のことを行った。 (1) 事前インタビュー、(2) 『日本語ポートフォリオ』を使った学習活動の録音(8回)、(3) 各ボランティアへのアドバイジングとその録音(7回ないし8回)、(4) アドバイジングを行う大学院生との打ち合わせ(8回)、(5) 事後インタビュー 2. データ整理 (1) 録音データの文字化、(2) 文字化データの一部のチェック 3. データ分析 前年度にデータを収集した2名のボランティアのデータについて、1名ごとにデータをトピックごとに分割し、それらのカテゴリー化と時系列にそった並べ替えの2つの作業を行い、どのようなできごとがどのような学びにつながったのかを時間の流れの中で記述した。うち1名の分析結果をケーススタディとして、ベルゲン大学で行われた、The 10^<th> Nordic Conference on Learner Autonomy in FL classroomで発表した。
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