昨年度から引き続き、関連学会・研究会、研修会への出席等により、研究動向や研究方法などを調べたり文献資料等の情報収集を行った。また、研究課題に関する以下のような調査を実施した。 1.中国語(北京語)話者の日本語複合名詞アクセントの発話の特徴を調べるため、中国語(北京語)と同じぐ声調を持つ言語であるベトチム語話者の複合語発話のアグセントデータを収集した。特に、前年度実施した予備調査によっても明らかになった、1語の中で2度高い箇所が見られる「二度上がり」の現象がどのような場合に現れやすいかを明らかにするために調査を実施した。 2.韓国、中国、ヨーロッパ(ドイツ、ロシア、ノルウェー)の留学生延べ50人を対象に、複合語の習得の難しい組み合わせを抽出した。その結果、以下の3点が母語に関係なく習得の難しい例であることが明らかになった。 (1)「韓国語」のように、前の語が「頭高型」の場合 (2)「あの人」後部の語のアクセント型が変化する場合 (3)「おとうとのかばん」のように、助詞を用いて複合化する場合。前部の語が「尾高型」か「平板型」かが習得されていない。 1の調査に関しては、分析作業中である。2に関しては、近日中に結果をまとめて公表する予定である。
|