研究概要 |
中国人日本語学習者が日本語の和語動詞、漢語動詞を正しく産出できるようにするには、どのような語と共起するかという知識の習得が不可欠である。そこで、日本語習熟度と和語、漢語の知識の関連を明らかにするため、短文の正誤判断実験を行った。 <調査実施概要> 調査年月日:平成22年9月14日から17日 調査協力者:北京外国語大学日本語学習者95名 調査項目:日本語習熟度テスト(日本語能力試験から使用許可を得て、語彙、文法問題を抜粋) 日本語漢語動詞・和語動詞読みテスト(調査該当漢字語の読みの正確さを測定) 日本語漢語動詞・和語動詞を用いた短文の正誤判断テスト 例)漢語:人間は自然環境を破壊した(○)山田さんは約束を破壊した(×) 和語:人間は自然環境を壊した(○)山田さんは約束を破った(○) 中国語では「破壊自然」、日本語では「自然を破壊する」のように、「自然」は共通の共起語である。しかし、中国語では「破壊約束」が可能であるが、日本語では「約束を破壊する」とは言わない,同形同義語の漢語動詞は日中で共起語が共通しているものもあるため、和語動詞を使うべきところで漢語動詞を使ってしまうという誤用が起きる,学習者の漢語動詞、和語動詞の共起語に関する知識と日本語習熟度の関連性を明らかにし、適切な日本語の表現力を身につけるために必要となる語彙の知識、中国語を母語とする日本語学習者の習得上の問題点について分析を行った。
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