本研究は、社会的ニーズでもあり留学生教育の出口ともなる「留学生の就職支援のためのビジネス日本語教育」のためのシラバス構築と教材・教授法開発を目的としている。そのために、今年度は、日本/日系企業の「ブリッジ人材」に対するニーズを調査・分析した。具体的には、国内の日本企業の一部とベトナム(ハノイ)、中国(アモイ)の日系企業において、管理職(日本人・外国人)並びに元留学生(日本留学経験者)対するインタビュー調査計28件を行い、インタビュー内容を、文字お越しの上分析、考察し、留学生に対するビジネス日本語教育に必要な要素を抽出している。並行して、それらにもとづいたビジネス日本語のシラバスの整備、教材の充実、教授法の改善にむけ、ロールプレイ教材の開発と試行、また、すでに開発したプロジェクト・ベース(PBL)の総合教材の試行をしながら、振り返りを記述、具体的なPBLの教授法を確立している。 あわせて、留学生へのビジネス日本語教育に必要なシニア・サポーター育成として、大学の生涯教育講座ならびに文化庁委託講座を利用して留学生のためのサポーター養成を行った。次年度から、これらのサポーターを加えた教育についても試行する。 その他、ビジネス日本語についての研究論文1件、国内外での研究発表4件、講演2回を行い、関連記事2件を雑誌(『月刊日本語』に投稿した。また、武蔵野大学大学院における公開講座でも関連テーマ「留学生の就職支援のためのビジネス日本語教育を考える」でシンポジウムを行った。
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