本研究の目的は、携帯音楽プレーヤーを外国語教育用LMSであるWebOCMの移動型端末として位置づけ、より効果的な外国語eラーニング教育をおこなうための拡張システムを開発研究することである。 4年計画の研究の初年度として、本年度は、まず、音声ファイルおよびそのメタデータ規格(ID3v2)にかんする最新技術を研究し、この技術を応用した製品開発について調査した。そして、外国語教育で実際に用いられる音声ファイルおよびそのメタデータが主要携帯音楽プレーヤーおよびその音声管理ソフトでどのように表示・再生されるかについて、通常想定される組み合わせ(教材+プレーヤー+管理ソフト)を設定して動作実験した。その結果、主要携帯音楽プレーヤーおよびその音声管理ソフトにおいては、ID3v2がデファクトスタンダードとして適用され、パソコンの管理スタンダードであるフォルダー名(ディレクトリ)とファイル名による階層構造をとらないことが分かった。また、タイトルデータ(<title>タグデータ)、教材名データ(<album>タグデータ)などの基本的なメタデータにかんしては、主要携帯音楽プレーヤー間およびその音声管理ソフト間において互換性があるが、文字テキストデータ(<song>タグデータ=「歌詞」タグデータ)にかんしては、互換性はないことも明らかになった。さらに、音声管理機能とRSS管理機能を有するiTunesは、携帯音楽プレーヤーiPodに、文字テキストデータについては、ID3v2準拠のメタデータではなく、RSSの<description>タグデータを転送することも明らかになった。RSSは来年度以降の研究テーマとなるので、RSS研究を経てより総括的な転送プログラムを策定することにした。また、これと並行して、WebOCMの単語帳からの文字テキストデータ処理についても、汎用性があるデータ化について研究した。
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