最終年度となる本年度は、昨年度までの量的および質的調査の縦断研究を続けるとともに、教員養成課程の学生の自律と動機づけの調査結果をまとめた。特に自律の認識が低い学生が、各種実習(観察・参与・基本・併修)を通して、どのように意識が変容したかを調査した。また、海外教育実習を通して、学生の自律と動機づけを高め、意識の変容や授業実践力の向上を図った。 自律の認識が高い学生と低い学生との比較分析や、アンケート結果ならびに面談結果の時系的変化を調べることにより、調査結果からの知見を教員養成カリキュラムの開発に生かすことを試みた。その結果、以下の3点の研究成果が得られた。 1)学習者の自律を促し、学習者の動機づけを高めるための教育実践力を有する教員の資質や能力さらにはその素養を明らかにした。 2)量的および質的調査の縦断研究として、教員養成課程の学生の自律と動機づけの意識の変容を調査し、特に自律の認識が低い学生の意識がどのように変容したかを明らかにした。 3)教師としての自律を促進し、動機づけを高める教員養成カリキュラムを開発し、その有効性と実現可能性を明らかにした。 本年度は、これまでにまとめた調査結果を学会で発表し、第三者からの評価を受けるとともに、教師の自律や動機づけを涵養する教員養成カリキュラムを開発した。また、教師としての自律を促進し、動機づけを高める教員養成カリキュラムづくりや教育方法の改善についての研究会を実施した。教員養成および教員研修プログラムに期待することや、教員の資質や能力について論議した。
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