平成20年度前半では、21年度実施予定の実験のコンテンツ作り、実験運営方法の準備に取り組んだ。コンテンツの面では、語彙学習における目標単語をGSL(General Service List)を中心に設定し、さらに被験者への語彙知識調査を実施し、そのデータを基に抽出した。また、付随的語彙学習に使用予定の教材作りに着手した。実験データ収集のためのコンピュータシステム構築においては、専門家の助言を基に、Moodle(オーペンソースのプログラム)を引き続き使用することに決定する。そのため、Moodleの最新版(Ver1.9)を導入し、準備を進める。学習者の語彙知識のデータをDelphi言語で研究者が作成した語彙チェックプログラムを引き続き使用して収集することに決定し、語彙チェックプログラムの改良に取り組んだ。学習者のデータはMoodle上にアップロードして保存する方法を採用した。H20年8月にWorldCALL国際大会(於福岡)、全国英語教育学会に参加し海外、国内のCALLの最新の動向、研究課題についての情報を収集する。これまでに行ってきたMatrix関連のデータを平成20年度の前半から整理し、平成20年の9月にはその一例をまとめ、英国応用言語学会にて発表を行った。H21年3月にはオックスフォード大学での学会に参加し、語学教育におけるL1(母国語)使用についての最新の研究動向を探る。これをもとに付随的語彙学習における注の種類についても引き続きL1、L2の両方を使用して効果を検証していく必要性を確認する。学会に参加する前に、Swansea大学のMeara教授を訪問し、考案していた実験計画について助言を得る。1ヶ月ほどの集中的な意図的学習を行い、その後の学期中には特に意図的な操作を行わず、自然な状態で目標単語の知識の変化を測定することを勧められ、意図的語彙学習条件でのデータ収集法を再考する。
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