研究者は研究全般を統括した。平成20年度の年度末に訪ねたSwansea大学のメアラ教授の助言を下に、平成21年度に実施予定の実験研究デザイン、データの分析方法などについて再度検討を行い、以下の二つのプロジェクトを中心に研究を行った。 Project 1このプロジェクトでは、英語を専門としない学生たちを対象に、授業の中で登場する単語の知識が学期を通してどのように変化していくのかを含め調査した。その学期に使用する教材からの単語を含め目標単語200語を抽出し1ヶ月ほど集中して語彙学習を行った。残りの学期中は、学習した単語のチェックを定期的に行い、語彙知識の変化を観察した。前期に一クラス、後期に一クラス実験を行い、それぞれ30名前後の被験者から合計約60名のデータを収集した。 Project 2このプロジェクトでは英文科学生を対象とした2クラスに対して実験を行った。それぞれのクラスで目標単語200語を設定し、1週間に50語ずつ1ヶ月をかけて集中的に語彙学習を行った。その際、1つのクラスでは、チェックテストとして毎週学習した50語をテストした。別のクラスではテストとしては目標単語200語すべてを毎回自己チェックする方式を採用した。両クラスにおいて集中学習後、残りの学期は定期的に語彙テストを行ない、語彙知識の変化・定着度を測った。 上記のプロジェクトを実施し、データを収集していく一方で、前年度のデータを分析しその結果を学会や論文として発表した。平成21年9月にはスペインで行われた欧州コンピュータ支援言語教育学会においてこれまでの成果を発表した。また、平成22年3月発行の熊本県立大学文学部紀要に論文が掲載された。それに加え、現在2本の論文を投稿し結果を待っている状態である。
|