今年度は、工科系大学の英語教育において「仕事で英語が使えるエンジニアの育成」を目指し、効果的な英語教育プログラムを構築するため、「研究実施計画」に従って、必要とされている英語力の実態を調査した。具体的には、工科系大学の学生、専門課程の教員、協力要請が可能な地元企業、ESP教育を実践している他大学に対して、アンケート及び面接調査を行った。 調査の結果、工科系大学の学生は、英語に苦手意識を持っているが、将来における英語の必要性を認識しており、総体的に実際に使える英語力の向上を望んでいることが明らかとなった。また、授業形態に関しても、習熟度別のクラス形態を希望していることが判明した。専門科目教員に対して行ったアンケートからも、英語教員とは異なった角度から英語教育を捉えた、貴重な意見を得ることができた。地元企業に対して行った調査では、職種により必要とされる英語力に差はあるが、仕事に関係なく、英語力は身につけるべきであるという意見が多かった。特に顕著であったのが、資格試験(TOEIC等)の受検に関しては、アンケート対象者の殆どが、必要性を感じており、今後学内でも受検を奨励するべきであるという示唆を得ることができた。さらに、ESP教育を実践している他大学で行った調査からは、新カリキュラムの編成やオリジナル教材の作成に関する、貴重なデータを収集することができた。 これらの知見をもとに、新カリキュラム(全学科共通習熟度別新英語カリキュラム)を構築し、平成21年度からの試行に備えた。
|