研究課題
教師音声データと日本人学習者の音声データを比較し対応づけることによって音声変化が起きている区間を自動で探すためのプログラム作成のため、DPマッチングによる対応付けシステムの構築を試みた。本年度は、これまでの報告で5種類に分類した音声変化パターンのうち、破裂音の無解放が正しく出来ているかを検知・評価するための第一段階である音声の自動分節化プログラムの作成を行った。まず、教師音声と学習者音声をそれぞれ30msのフレームに分割し、それぞれの0~120の低次スケプトラム成分のスペクトル包絡を取り出した。それらを1フレーム毎にDPマッチングした。今回の試みでは、好ましい結果が得られなかった。その理由として、学習者音声のノイズ混入や被験者の音量のばらつきが考えられる。来年度の課題として、音声録音の方法と最適な音量レベルの決定を最初の検討課題とすることになった。次に、英語リズム(主にリズムの谷間での機能語の弱化)を習得するための学習者への最適なフィードバックのモダリティーを探索した。今回の実験では、教師音声を発音する際、強く発話する部分と弱く発音する部分をどの程度効果的にフィードバックできるかを、視覚情報、聴覚情報、言語情報の3つのモダリティーを用いて実際の被験者11人を対象に実験を行った。その結果、聴覚が最も分かりやすく、次いで、視覚に訴える方法という結果を得た。とりわけ、英語音声の強調する部分の音量を上げることが、学習者が英語リズムを具現化する上で効果的であることが認められた。来年度は、実際の上達の度合との相関を求めていくことになった。
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Dialogue
巻: 9号 ページ: 1-20
情報処理学会論文誌
巻: Vol.52, No.2 ページ: 434-445