研究課題/領域番号 |
20520526
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
湯舟 英一 東洋大学, 総合情報学部, 准教授 (70339208)
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研究分担者 |
村上 真 東洋大学, 総合情報学部, 准教授 (80329119)
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キーワード | 音声認識 / e-learning / 発音訓練プログラム / 英語音声変化 / 教育工学 / DPマッチング / ケプストラム / フィードバック |
研究概要 |
ネイティブと同様の自然な発話を行えるように、音声変化に対して評価を行い発話の矯正を行うシステムの開発を行った。このシステムは、初めに学習者に英文を発話してもらい、その音声を録音する。次に、教師音声の音声変化と比較し評価を行う。最後に学習者の発話に対してフィードバックを返す、というものである。フィードバック部門に関する研究は、昨年度内の研究で一応の結果を出し、昨年度の実績報告書において報告済みである。今年度は評価プログラムの作成を中心に行った。 英語発話矯正を行うためには、あらかじめ用意した教師音声データと日本人英語学習者音声データの音節を対応づける必要がある。先ず、二つの音声データでDPマッチングを行い、データを対応づけることができるかを評価した。その結果、実験に使用した英文によって対応付けの結果にばらつきが見られた。理由としては、音声変化以外の箇所が正しく読めていないことと、取得した音声データにノイズが含まれていたことが考えられ、それらの対応は今後の課題とした。 次に、教師音声データと日本人英語学習者音声データのどの区間にターゲットとなる音声変化が含まれているか手動で特定した上で、両者を比較評価するプログラムを作成した。今年度は「融合同化」と「連結」に対して音声分析を行った。 教師音声を聞いた学習者が正しく読めている場合と読めていない場合では音韻に大きな変化が見られるため、ケプストラムからパワースペクトル包絡の抽出をすることで音韻情報を取り出し、DPマッチングを行うことでネイティブの音声データと学習者の音声データの類似度を求めた。その後、DPマッチングの結果が妥当かどうか評価するめ、学習者音声データを報告者本人が聞き、5段階で評価した結果と認識実験で求められた類似度を比較した。その結果、融合同化、連結ともに5段階評価の差は1を切る値となったことから、本音声認識プログラムは教師音声と学習者音声の類似度を正しく求めることが出来たと考えられ、発音評価システムのコアプログラムの基礎開発として一応の成果を得ることができた。
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