研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き名古屋市立千種小学校において電子耳装置を利用した実験を行った。具体的には第3回平成22年4月~9月までの全9回(13名)、第4回平成22年9月~12月までの全10回(13名)であった。実験前後に語音弁別テストおよび発音テストを行い、その変化を観察、さらに知覚と発話の関係を検討した。その結果は以下の通りである。 1. 弁別の正解率の高いshort, shirtの発音は区別ができているか。→区別している。 2. think, sinkの弁別は正解率が低いが、発音においても区別はされていないのか。→区別されていない。 3. cram, clamとpray, playは共に異語ペアであるが弁別の正解率が高い。発音では区別されているか。→実験前は発音の区別はないが、実験後には区別がなされている。すなわち知覚⇒産出の方向が認められる。 また、昨年度の実験被験者を対象に中学進学後のストラテジーおよび動機づけ関係のアンケート調査を行った。その結果、以下のような特徴が認められた。 1. 話すことより聞くことにまず集中する。 2. 単語を覚えるとき、発音とイメージや映像を結びつける。 3. より多くの人と出合い話しがしたいという意識が高い。
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