本研究は、小学生を対象とした英語教育に聴覚心理音声学的方法を導入した際の効果を3年間にわたり考察し、小学校での英語音声教育の方向性を考えることを目的とした。2009年から2011年にかけてのべ94名の小学生が実験に参加した。その間6回の実験を行った。各回は原則、電子耳による聴き取りとその他の活動で構成した。 6回すべての実験の前後で、音声知覚および産出テストを行った。第1回実験の語音知覚、産出テストでは、実験前後である程度の改善が認められている。さらに、発音を明示的に説明した実験5では、聴き取りの全体時間は約半分であるものの、知覚、産出ともにより改善が認められている。本研究により、英語を母語とする教員が担当しなくてもこうしたプログラムによれば小学校で充分音声教育が可能であることが認められた。
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