研究概要 |
基本動詞として、get, put, bring, give, take, makeを、また、前置詞としてin, on, to, at, underを選び、高等学校の英語I IIの教科書であるCrown I, II、Exceed I, II、Vista I, II、Prominence I, II、Power On I, II、All Aboard I, IIを対象として、上級、中級、初級教科書に現れるメタファーを、コンコーダンサを使い抽出した。これにより、レベル別にどのメタファーを扱うべきかが判明した。次いで、『多義ネットワーク辞典』を参照し、意味の上からメタファーを分類し、高頻度メタファーが、原義からどのような拡張を経ているのかが明らかになった。また、原義から拡張していく順に意味を扱うと、低頻度の意味を優先的に取り上げる可能性があることも分かった。 先の教科書を対象に、形容詞(副詞として用いられるものも含む)の比喩的使用についてhigh, highly, hard, soft, softly, deep, deeply, bigを対象として調査した。比較対照するために日本の中高レベルに相当すると思われる、英語圏の小中レベルのテキストNew Literacy Kit Year 7, Year 8, Year 9, English Now 1,2,3を調べた。日本の教科書は同じ表現の繰り返しが目立ち、たとえばhighでは、high school/junior high schoolが多出し、hardではwork/study hard(副詞),hard(形容詞)workなどが多く、英語圏のテキストではバラエティーに富んだ表現として取り入れられていることが判明した。 以上により、どのようなメタファーをどのように教えていけばよいのかの方向性が得られたものと考えられる。
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