本年度(研究3年目)は以下の成果をあげることができた。 1.学会発表 平成20年度からの研究成果について、第10回小学校英語教育学会北海道研究大会において、「「小鉢」による授業改善」「授業分析・改善の視点・観点の試作」の2つの発表を行った。 前者では、「小鉢」と称する授業改善のための具体的な活動を示した。この活動は、教師が不足していると強く感じている「英語力」「指導力」「準備時間」の3つの不足事項に対応し、かつ、子どもたちが反応したくなるインプットを教師が意図的に提供し、コミュニカティブなアウトプットを引き出す、10分程度の活動である。他方、後者では、「小鉢」のような授業改善に必要な活動の視点・観点を考察し、試作したものを紹介した。これは、研究分担者となっている科研費「児童・生徒の意識調査と言語習得研究の観点による小中連携の授業」(課題番号:22520634)と連動しての研究発表であった。 2.「小鉢」(有効な活動)を軸にした研修と養成 平成22年度の教員研修や教員養成に「小鉢」を実際に使ってみたところ、かなり有効であるということが判明した。しかし、活用の規模がごく限られていたので、それがどの程度汎用性を持つかについては、引き続きデータを収集分析する必要があり、また、どういう改善点があるかもさらに明らかにしなければならない。 以上を踏まえ、研究最終年度(平成23年度)では、継続して研究に取り組むと同時に、「授業改善に取り組むことができる教師の育成と養成」に必要な「研修プログラム」及び「養成カリキュラム」を作成し、研究の最終報告書を提出することになる。
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