「国際英語」教授法の基礎理論と授業実践に関わる文献として、第2言語・外国語教育論及びWE論やELF論における最近の文献の精査を行なった。その結果、特にELF論のLingua Franca Coreの概念が本研究に与える示唆にっいての考察を深めた。具体的には、Non-Core featuresを用いての個性の表現が国際英語の要諦であることを示すことができた。 本研究代表者が提案する「国際英語」教授法のアクション・リサーチを実施した。Pre-test及びPost-testや受講者アンケートなどである。また、公開授業を実施し、参加者からのフィードバックを得た。これらの結果、学習者の自律性の養成などにおける課題が明らかになった。 「国際英語」の理念に共鳴する英語教員の授業実践を観察した。大阪府立鳳高等学校、岐阜大学、国際基督教大学などでの授業観察及び授業者へのインタビューである。その結果、国際英語の授業の最も重要な要素が、日本人英語教員の英語を、学習者が目指すべき英語のひとつのサンプルとして授業で積極的に提示することにある、という点が明らかになった。 本年度の成果は、これまで、香港での国際学会を含む学会発表や学会招待講演等を通じて発表し、論文も現在執筆中である。また、本研究で開発中の、この「国際英語」教授法による大阪大学での授業実践により、本研究代表者は、平成20年5月に「大阪大学共通教育賞特別賞」、平成20年11月に「大阪大学共通教育賞」、平成21年2月に「大阪大学教育・研究功績賞」を受賞した。
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