研究課題
平成20年度は、調査研究の基礎を構築するため、主として以下の3つについて調査研究を行った。まず、第二言語習得研究や認知科学に関する文献文献のリサーチを行い、言語が認知に与える影響(言語相対仮説を含む〉やV.CookのMulticompetenceモデルにもとづく第二言語習得の研究文献の文献リスト(83件)を作成した。その上で、本研究の研究基盤となるMulticompetenceモデルの起源とその理論的背景、発展経過、今後の課題について1つの論考(雑誌論文参照)にまとめて発表した。その最終原稿をV.Cookに送付し助言を求めたところ、彼のモデルの理論背景や発展経緯がみごとにまとめられていると高く評価してくれた。続いて、Multicompetenceモデルにもとづく第二言語習得研究を進める研究グループメンバーが例年研究発表を行うEUROSLA(The European Second Language Association)の年次大会(第18回フランス大会、エクサンプロバンス)に参加して、12の研究発表を聞くと同時に、同学会に参加していたV.Cookからも、小学生を被験者とした場合のデータ収集の方法に関すること等について直接指導を受ける機会を得た。さらに、国内におけるこの分野の第一人者である笠井千勢氏(岐阜大学)と佐々木美帆氏(慶応義塾大学)にも実験手法やデータの処理について直接助言を受けることができ、予備実験に入る準備ができた。さらに、実験タスクで被験者の反応速度を測定するE-Prime(心理実験ソフト)を購入し、パソコンにインストールしたうえで、レスポンス装置を設置し、試作のサンプルタスクで動作確認を行った。
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Research Reports of the Department of Inter-national Studies (The Department of Inter-national Studies, Faculty of Humanities and Economics, Kochi University) 第9号
ページ: 109-128
http://souls.cc.kochi-u.ac.jp/?&rf=3428