研究課題
研究の最終年度は、実験データの追加とともに、すべての実験データの分析と考察を行い、研究成果として、国内外の学会(全国英語教育学会大阪研究大会及びEUROSLA(イタリア大会))において口頭発表を行うとともに論文及び研究成果報告書として発表した。県内公立小学校の協力を得て、英語学習経験の異なる小学生グループ(例:年間数時間グループ、年間35時間グループ、年間70時間グループ)に「形状と物質の区分タスク」と「カテゴリーとテーマに基づくグルーピングタスク」という2つのタスクを与えてデータを収集した。前者のタスクでは、参加者に、コルクでできた小型のピラミッドを見せて、現実にはない「ムハバ」などという名詞を刺激語として与えた後で、プラスチック製のピラミッドとコルク製の板を見せて「どちらがムハバですか」と尋ねた。また、後者のタスクでは、参加者に標準物と2つの対象物が描かれたカード、24セットを提示し、2つの対象物のうち、標準物と結びつき(グルーピング)の強いのはどちらかを判断させた。また、両タスクにおいて、判断に要した時間、反応速度も測定した。その結果、1)両タスクの反応においても英語学習経験量に差のあるグループ間に有意差があること、2)英語学習経験が増加するほど英語母語話者の反応に近づくこと、3)学習経験が増加すれば両タスクの反応速度が速くなること、などが明らかになった。たとえ週1、2時間という僅かな学習経験であっても、小学校英語は児童の認知に少なからず影響を与えている(Multi-cognition構築の)可能性があると結論づけた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Research Reports of the Kochi University, Humanities(高知大学学術研究報告:人文編)
巻: 59(印刷中)
Annual Review of English Language Education in Japan(全国英語教育学会紀要)
巻: 22(印刷中)
Shikoku English Language Education Society Journal(四国英語教育学会紀要)
巻: 30 ページ: 55-64
http://souls.cc.kochi-u.ac.jp/?&rf=3428