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2008 年度 実績報告書

司法英語教育のためのコーパスを用いたアメリカ、イギリス判例の共時的、通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520553
研究機関立教大学

研究代表者

鳥飼 慎一郎  立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (90180207)

キーワード司法英語 / 歴史言語学 / Multidimensional Analysis / コーパス言語学 / 名詞化 / ESP教育 / アメリカ連邦最高裁判所判例 / イギリス貴族院判例
研究概要

本年度は、立教大学より在外研究の機会を得、アメリカの北アリゾナ大学で1年間にわたり、Douglas Biber教授の指導のもとで、コーパス言語学に必要な統計的手法に基づく言語の計量的分析方法を研究した。Biber教授は、因子分析を言語データの分析に応用し、MultidimensionalAnalysis(MDA)に基づく言語分析の方法論を確立し、言語研究に新たな時代を築いた人物である。その研究成果は広く英語教育や文法研究に応用され、辞書・文法書・その他の英語教材に、より現実的な言語使用の実例を提供し、言語学のみならず英語教育全般に大きな変革をもたらした。この1年間を通してBiber教授より直接、MDAの方法論を学び、司法英語(具体的にはイギリスとアメリカの歴史的判例)の分析のための基盤を構築することができたことは、科研での研究テーマ遂行のために大きな収穫であった。
コーパス構築の作業も大きく進展した1年間であった。アメリカ司法英語を、18世紀の最初期、19世紀開始前後、直近の3つの時期に設定し、イギリス司法英語に関しても、アメリカ司法英語の時代に対応する3つの時期を設定し、そのパイロットコーパスを完成させることができた。本研究のパイロット研究として、以前に構築したイギリス司法英語のコーパスを用いて、Biber教授が提唱するMDAの方法論に基づき3本の論文を執筆した。その研究成果は近々出版される予定である。
司法英語は英米共に、より口語的で動詞を中心とした言語使用形態から、より多くの情報を効率的に伝達できる名詞的な文体へと歴史的に移行しており、そのために必要な言語形式も次第に明らかになりつつある。この歴史的変遷は、科学英語においても並行して進行してきたものであるが、司法英語ならではの要因が作用し、興味深い違いを呈していることも明らかになりつつある。来年度は、英米司法英語のコーパスを完成させ、その歴史的変遷の研究を大規模に開始したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Contemporary Judgments by the UK's House of Lords- Seen through Biber's Dimension 12009

    • 著者名/発表者名
      鳥飼慎一郎
    • 雑誌名

      ことばと人間 10

      ページ: 21-54

  • [雑誌論文] Nominalization and Passivization in Present Day Legal Discourse and in other Genres2009

    • 著者名/発表者名
      鳥飼慎一郎
    • 雑誌名

      ことば・文化・コミュニケーション 1

      ページ: 53-73

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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