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2008 年度 実績報告書

中国法典・文物伝来からみた律令制形成過程の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 20520573
研究機関山梨大学

研究代表者

大隅 清陽  山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (80252378)

キーワード律令制 / 古代東アジア / 礼制
研究概要

初年度である平成20年度には、7世紀における中国法典の継受と日本律令制の形成について検討することを計画し、共著書1点、学会報告1点の成果を得た。
共著書『日唐律令比較研究の新段階』所収の論文「大宝律令の歴史的位相」と、九州史学研究会大会における報告「これからの律令制研究」の内容は、相互に密接に関連しており、前者では、日本律令の母法である中国律令の史的変遷を秦漢から隋唐までたどり、また新羅など朝鮮諸国の律令制と比較することを通じて、大化改新、近江令、飛鳥浄御原令をへて大宝律令へといたる過程を一国史的・直線的な発展とみなす戦前以来の見方に疑問を呈した。そのうえで、唐令の逐条的・体系的な継受は大宝令に始まり、浄御原令以前の日本律令制は、体系的な律令法をもたない新羅など朝鮮諸国のそれに近く、大宝令とはかなり異質なものであったとの独自の見解を主張した。
また後者の口頭報告「これからの律令制研究」では、律令法や律令制の概念を厳密に検討することの必要性を述べ、坂本太郎の大化改新研究の孕む問題性について指摘したうえで、独自の「プレ律令制」概念を提唱し、それらを、北宋天聖令の発見によって得られた新知見と結びつけることにより、大宝・養老令研究の新たな方向性について方法論的な検討を行った。
平成21年度には、上記報告を論文化する作業とともに、その見通しを、7世紀における中国法典請来の具体的な過程の検討を通じて裏付けるとともに、儀制令に規定された儀礼や器物受容の問題の検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] これからの律令制研究-その課題と展望-2008

    • 著者名/発表者名
      大隅清陽
    • 学会等名
      2008年度九州史学研究会大会
    • 発表場所
      九州大学国際ホール
    • 年月日
      2008-10-18
  • [図書] 『日唐律令比較研究の新段階』分担 : 第III部第1章「大宝律令の歴史的位相」2008

    • 著者名/発表者名
      大隅清陽(共著, 分担)
    • 総ページ数
      219-239
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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