研究課題/領域番号 |
20520582
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西別府 元日 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50136769)
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研究分担者 |
古瀬 清秀 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)
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キーワード | 地積図 / 古代山陽道 / 道路側溝 / 須恵器 / 発掘調査 / 現状変更 / 土地利用状況 / 備後国 |
研究概要 |
平成21年度は、前年度に法務局の事情で地積図を閲覧できなかった地域について地積図を閲覧し、地割りや道路痕跡を確認する作業を前半期に集中的に実施するとともに、前年度から21年度前半にかけての作業やフィールド調査をもとに、発掘調査の対象となる候補地を絞り込み、発掘調査を実施して、具体的に道路痕跡を追究することを課題として研究を開始した。 しかし、21年度から広島法務局管内では閲覧者が使用できる複写機が撤収されて、地積図そのものの複写作業が不可能となったため、当該地の都市計画図を購入・持参し、閲覧時に地割りや道路痕跡を都市計画図に記入していくという作業に変更せざるをえなくなった。このため、地積図で地割りや道路痕跡を確認できた地区は、三原市本郷町本郷ならびに本郷町下北方・同南方、竹原市新庄町・西野町などにとどまった。 発掘調査の対象となりうる候補地については、夏休みに入るまで、古代道路に関する遺構・遺物が存在すると考えられる地点を3ヶ所ほど、優先順位をつけて設定した。これをうけ夏期休業中に、土地利用状況を確認し、現状変更の可能性や耕作補償等をふくめて、具体的に調査が可能か否かを検証する作業にあたった。しかし、この過程で、地形や現在の利用状況などから発掘調査の実施が困難であることが判明し、対象地の再三の変更を余儀なくされ、結果として発掘調査実施の機会を逸失することとなった。 このため、研究計画の変更を申請、その承認をえたうえで調査地を確定、地権者とも交渉を重ねて承認をとりつけ、平成22年9月に発掘調査を実施するとともに、調査地周辺の状況確認のために測量調査を実施した。その結果、発掘調査においては、地山面から11世紀前後の須恵器が出土するとともに、側溝と思われる人工的な溝を確認、測量調査の結果をふまえると、幅6mの古代官道にふさわしい道路跡を約100mにわたって確認することができた。
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