本年度は協力者の助力を得ながら5回調査活動を行った。日程は(1)9月10〜12日、滋賀大学附属史料館・滋賀県西浅井町大浦地区、(2)1月9目史料館、(3)1月24・25目大浦蓮敬寺、(4)2月5日史料館、(5)3月11・12日史料館、京都府立総合資料館であった。「菅浦文書」「蓮敬寺文書」の調査・撮影である。 「蓮敬寺文書」はDVDにおとした。その他に、写真を見ることができた旧大浦荘の「殿村文書」を翻刻した。また、すでに撮影の終えていた京都府宇治田原町禅定寺の宇治市歴史博物館所蔵分「禅定寺文書」をDVDにおとした。 調査(1)・(3)は駿河台大学法学部準教授黒田基樹氏・立教大学兼任講師長谷川裕子・同遠藤ゆり子氏と立教大学大学院生3人の協力を得た。 これらの作業は研究の基礎的な部分で、また緒に付いたばかりであるが今後の研究のベースになるものである。 なお、今年度の活動で以下の点が明らかになった。旧大浦荘域にはあまり豊富には史料が残存してはいないこと。また、かつて明治大学中世史グループが行った史料所在調査報告があるが、それらの史料群も個々具体的な調査活動は行われていないことも判明した。さらに、町の教育委員会も史料状況を十分には把握されてはおらず、今回の調査研究がその意味でも空白を埋める意義を有することが想定される。 そして「蓮敬寺文書」はかつて読み下し本が「舟寄せ村の歴史」(蓮敬寺開基五百年法要記念執行委員会、平成5年)として出されていて、勉強になるが、これの検討も課題の一つになろう 来年度も引き続き所在し良の確認と、可能な資料の調査・撮影を進める予定である。
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