研究概要 |
1, 歴博所蔵高松宮家旧蔵禁裏本の「親長卿記」「還幸伝奏記」の書写本と、京都大学総合博物館所蔵勧修寺家文書の「還幸伝奏記」の原本を対比研究した。禁裏と室町殿の合議機関として、武家伝奏・惣伝奏・儀式伝奏の合議や伝奏による奏事目録作成と天皇の仰せを儀式伝奏-武家伝奏-室町殿のルートで意見調整をしていた事実をあきらかにした。 2, 儀式伝奏の指揮下に武家方では惣奉行摂津氏のほか儀式奉行の飯尾・斎藤氏が任命されるとともに、公家方でも職事弁官の奉行として三条実興や官務・局務の壬生・大宮・中原・清原らが任命されて中央行政執行機関として機能しており、伝奏奉書-惣奉行の下書-奉行連署奉書-公方御倉からの下行として国家財政の支払システムが機能していた。 3, これらの成果をとして『禁裏本と古典文化』(塙書房)に公開した。またに公開した。
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