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2010 年度 実績報告書

鎌倉を中心とする中世密教の受容と展開

研究課題

研究課題/領域番号 20520607
研究機関神奈川県立金沢文庫

研究代表者

西岡 芳文  神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸課長 (90443407)

キーワード西院流 / 鎌倉密教 / 龍華寺聖教 / 三国祖師影
研究概要

平成22年度は、龍華寺聖教に含まれる(印融本)元瑜方『西院八結』と快可本『西院八結』の目録を対照しつつ整理し、両者の差異について検討した。また金沢区役所・横浜市教委が作成した聖教目録から漏れている聖教の目録を作成し、龍華寺聖教の全体像をほぼ把握することができた。
聖教整理の過程で、従来全く知られていなかった鎌倉時代の事相枡形本を見出し、鎌倉時代中期(文永~弘安年間)において北条時宗・貞時・安達泰盛ら幕府要人が持僧である頼助・元瑜らに依頼して実施した現世利益を目的とする祈祷の実像が浮かび上がってきた。また元瑜方『西院八結』に含まれる聖教の中から、鎌倉円覚寺の創建に際して密教式の鎮壇作法が行なわれた事実が判明し、鎌倉時代の禅院が旧来の仏教と密接なかかわりをもって成立した経過が明らかになった。
龍華寺聖教から、鎌倉時代まで遡る貴重な『三国祖師影』の写本を発見した。既知の中世写本である東博本・大谷大学本・醍醐寺本よりも原本の筆致を精巧に模写した作品で、小野仁海によって編纂された原本の面影を伝えるものとして価値が高い。これが龍華寺にもたらされた経緯は今後の研究課題である。
3年間に及んだ当研究の一端を、金沢文庫特別展『もうひとつの鎌倉文化-金沢龍華寺の聖教と秘宝』として一般公開し、資料性の高い図録を作成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 武士の教養と文化2011

    • 著者名/発表者名
      西岡芳文
    • 雑誌名

      武家の古都・鎌倉の文化財(五味文彦編・角川学芸出版)

      ページ: 193-219

  • [雑誌論文] 龍華寺聖教に見える中世鎌倉の密教修法の-断面2011

    • 著者名/発表者名
      西岡芳文
    • 雑誌名

      密教美術と歴史文化(真鍋俊照編・法藏館)

      ページ: 523-646

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 円覚寺の創建と密教の祈祷2011

    • 著者名/発表者名
      西岡芳文
    • 雑誌名

      アジア遊学

      巻: 142 ページ: 90-93

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公開日: 2012-07-19  

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