(1)「日書」研究を通じて、戦国楚において一地域文化として発生した「日書」が、秦による楚の征服を通じて秦に受け継がれ、さらにその秦を倒した前漢にも受け継がれ、その占卜文化は漢の広範な地域に広がってゆく過程を、中国文明との関わりにおいて明らかにする。 (2)それと同時に、秦漢帝国の成立は先秦諸国の地域文化を消滅させていったにもかかわらず、それらの地域文化を吸収してそれを全国的な文化として再編・展開させていった側面との関わりで、占卜文化の拡大の局面についても明らかにする。 これを要するに、秦漢帝国と地域文化の間の二重関係の中で、戦国楚・秦・漢の占卜文化の局面を具体的に検証する。
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