研究代表者華立は、18~19世紀の日本-中国-東南アジア海域圏で活躍した中国ジャンク商人(唐船商人ともいう)について、商人集団の類型と地域性、組織構成と港町、貿易活動と清朝国家の海洋政策との関連を中心に研究した。対日貿易では官商(内務府商人)・民商の並立を経て、江(蘇)浙(江)地域の民商がしだいに主導権を握ったのに対して、洋銅(日本銅)の取引から締め出された福建商人集団は、南洋貿易政策の緩和を受けて、東南アジア方面への進出をいっそう強めたことを明らかにした。研究分担者伍躍は、沿海地域の治安および住民の海上生産活動を管理する巡検司制度を、明代福建地域を具体例として解明した。
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