本研究は、両大戦間期のドイツで「フォルクの運動」として立ち現れたホームランド・ナショナリズムに、「国境地域」の住民がどのように向き合ったのかを、地域住民の側から捉え返すことを目的としている。 平成20年度は本研究の初年度にあたり、ドイツ・ポーランド国境地域におけるいくつかの具体的な分析対象を絞り込むために、ドイツ側ではドイツ連邦文書館、旧プロイセンの史料を保管する文書館、並びにポーランド側のクラカウ、ヤゲロー大学図書館並びにグダンスク、トルンにおいて史料状況を確認する作業を行なう計画であった。 史料状況については、ドイツ側ではすでに文書館についてかなり明らかになってきているが、ポーランドについてはまだ十分ではない。しかし、今年の調査を経て、トルン大学にある研究所で調査する必要があることは確認できた。 また、西プロイセン、東プロイセン、ポンメルンの状況について検討するに当たり、両大戦期のグダンスクにおけるドイツ系住民とポーランド系住民の関係性について考察を行なった。
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