本研究は、両大戦間期のドイツで「フォルクの運動」として立ち現れたホームランド・ナショナリズムに、「国境地域」の住民がどのように向き合ったのかを、地域住民の側から捉え返すことを目的としている。 平成22年度は本研究の全体の構想のなかで、ドイツ・ポーランド国境地域におけるいくつかの具体的な分析を進めるために、東プロイセンにおけるドイツ人とポーランド人マイノリティの関係について集中的に史料の収集、分析、考察を行った。平成22年夏には、ドイツ・ハンブルクにおいてハンブルク現代史研究所、ハンブルク大学で参考資料の収集に努め、それを踏まえて、22年11月と23年3月に、ベルリンの国立プロイセン文化文書館(Gehaimes Staatsarchiv PreuBischer Kulturbesitz)において、1920年代に東プロイセンからドイツ人とポーランド人マイノリティの関係についてベルリンに報告される公文書を集中的に閲覧し、本研究テーマに関する多くの知見を得ることができた。
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