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2009 年度 実績報告書

聖人祝日暦写本の生成-ヴァチカン・オットボーニ・ラテン写本163番の総合的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 20520641
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐藤 彰一  名古屋大学, 大学院・文学研究科, 特任教授 (80131126)

キーワードサン・ジェルマン・デ・プレ修道院 / ウズアルドゥス / トマス・ベケット / ペルペトゥウス / カンタベリ司教 / トゥール司教 / 聖人祝日暦 / オットボーニ163番
研究概要

初年度(平成20年)の基礎的・準備的な作業を終えて、今年度はマイクロフィルム化された写本の解読作業に入った。聖人祝日暦は一年の始まりを12月24日においている。オットボーニ163番写本は、9世紀にパリのサン・ジェルマン・デ・プレ修道院の修道士ウズアルドゥスが作成した「祝日暦」の系統に属していて、年初は[IX.Kal.Jan]、すなわち12月24日である。これまでの解読作業で興味深い事実は、この写本特有の聖人の取り上げ方で、12月29日を「命日」とするカンタベリ司教聖トマス・ベケットと、12月30日を「命日」とするトゥール司教聖ペルペトゥウスである。前者はイングランド王ヘンリー2世との確執の中で、1170年12月29日に暗殺された人物であり、後者は5世紀のトゥール司教であり、古代末期からポスト・ローマ期にかけての草創期トゥール教会の組織化と宗教儀礼を整備した人物として知られている。聖人祝日暦の特徴は、キリスト教会が創始された時代に殉教した聖人で構成される定番の聖人名に、写本が作成された地方で崇敬されている聖人名が付加されることである。トマス・ベケットとペルペトゥウスは、通例の聖人祝日暦にはその名前が登場しても、その事績が163番写本のように詳細に語られることはなかった。ここからこの写本がイングランド南部、あるいはトウール地方で作成された可能性を想定できる。もっともこれまで分析できたのは、全体のごく一部であり、最終結論は全体の分析を完了するまで待たなければならない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] La clause penale dans les chartes merovingiennes et son implication,2009

    • 著者名/発表者名
      SATO, Shoichi
    • 雑誌名

      Hermeneutique du texte d'histoire.

      ページ: 45-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quest for the origin of a manuscript, Vatican Ottoboni Latin no. 163(1)2009

    • 著者名/発表者名
      SATO, Shoichi
    • 雑誌名

      HERSETEC : Journal of Hermeneutic Study and Education of Textual Configuration, 3-1

      ページ: 23-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 19世紀フランスの歴史学と歴史教育2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤彰一
    • 雑誌名

      19世紀学研究 4

      ページ: 3-12

    • 査読あり
  • [図書] Hermenutique du texte d'histoire. Orientation, interpretation et questions nouvelles歴史テクストの解釈学 : 針路、解釈実践、新たな諸問題2009

    • 著者名/発表者名
      SATO, Shoichi, 佐藤彰一(編)
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      名古屋大学文学研究科

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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