予定通り、2009年11月7日に東京・青山のドイツ文化会館で青野原俘虜収容所に関する講演会・演奏会を開催し、11月12日から21日まで東京・麻布のオーストリア大使館で展示会を開催した。習志野の市民グループの協力も得て、日本の第一次世界大戦における捕虜収容所体系における青野原収容所の位置づけを一つのテーマとして企画した。日本経済新聞の文化蘭でとりあげられるなど、社会的にも注目されるという大きな成果があった。 グラーツ大学で青野原収容所のオーストリア捕虜兵を初めとして第一次世界大戦の捕虜問題を研究しているヘルムート・ヘードル氏をお招きして、グラーツを州都とするシュタイヤーマルク州における第一次世界大戦期難民収容所に関する情報の交換を行った。 青野原収容所のハプスブルク帝国捕虜兵は、帝国の在外捕虜兵のほぼ1万分の一にすぎない。しかもハプスブルク帝国は自国民の捕虜兵とほぼ同数の外国人捕虜兵を自国内に抱えていた。さらに戦場になった地域からは大量の難民が出、国内各地で長期にわたって収容をれた。また「敵性」自国民も収容されており、こうした総力戦から除外された人びとの目から見た第一次世界大戦「非総力戦論」を構築している。
|