研究概要 |
1、生態系や海岸線の地理的条件などの環境変化に関しては、J.Steers, The Coastline of England and WaleesやJ. G. Simmons, An Environmental History of Great Britainをはじめとする文献から、その概観を掌握した。2、漁法に関しては、新しく入手した文献を手がかりにして、データ整理した。3、イングランドにおいて 文献調査を行い、必要な資料収集を行った。4、2008年7月15年から16日にかけて開催された大英博物館(British MuseumないしはNational Museum)での「バイユー綴織研究の新地平(New Research on the Bayeux Tapestry)」というコンファランスで、在地化していった海民の首領ヴィタールとその子孫の運命を縦軸に、11世紀段階ではまだ社会身分とならない騎士の実態を横軸にした「ここに騎士あり("Hic est miles")」と題する論文を報告した。この論文は今年度論文集に収録されてイギリスより出版される予定である。5、会謙録を中心に、中世に食されていた魚の辞典を作成した。今年度論文として報告予定。6,今回の文献調査や巡見などによって、歴史学以外の学問領域で、中世漁業を解明するに必要な文献が予想した以上に大量に存在することや、考古学やGPSを使った研究によって、梁の後が発見されつつあることなどを確認できた。7,当該年度の研究において本研究の基礎的データをそろえることができた。これによって研究成果の果実を確実に収穫するとが可能となった。また、大英博物館という場で、研究成果を発表でき、国際的に研究の実態をアナウンスできたことは、本研究の将来性を考えると大きな意義と重要性を有すると判断できる
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