研究課題
基盤研究(C)
本研究は、研究史上等閑視されてきた10世紀から13世紀までの(ただし史料上の制約から、16世紀までを視野に入れなくてはならないこともある)イングランドの近海域および内水系における漁撈を中心とした海および川での生業の総体的把握を通して、イングランド中世史の再検討を行うものである。そのために以下の四つの視点を設定した。(1)環境と技術の視点。生態系や海岸線などの地理的条件とその変化、造船、航海、漁撈に関わる技術とその水準の解明。(2)社会的諸関係の視点。海民と水軍を中心とした共同体関係と領主制的な支配関係とそれらの相互関係の解明。(3)権利関係の視点。地先権などの海水面に対する「陸」の権利の解明。(4)市場(いちば)と交易の視点。漁獲物に対する領主性的な権利関係と、流通と市場のメカニズムの解明。この四つの視点から、イングランドの各地域の生業総体の把握をめざしている。地域のおかれている環境によって生業社会の構造は異なるために。研究は地域単位でおこなう。
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The Bayeux Tapestry : New Approaches : Proceedings of a Conference at the British Museum(Michael J. Lewis, Gale R. Owen and Dan Terkla, Oxbow Books)