本研究は、日本列島とブリテン島という、大陸縁辺部の二つの大規模島嶼部における社会の複雑性・複合性の増大過程を、(1)マクロ・ミクロの集落構造の変容、(2)埋葬プロセス、墓地・墳墓構造の変容、(3)親族構造・組織の変容、の各単元ごとに整理・分析し、さらに、それらの展開過程が、それぞれの地域に認められるネットワークの位相構造的特性といかに相関するかを検討して、日本列島・ブリテン島という、大陸縁辺島嶼部の位置的・地理的特性が、それぞれの社会の複雑性・複合性の増大過程に与えた影響を二つのモデルに整理した。
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