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2008 年度 実績報告書

狩猟採集社会の定住・移動性と集団の空間的流動性に関する歴史地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520676
研究機関岩手大学

研究代表者

遠藤 匡俊  岩手大学, 教育学部, 教授 (20183022)

キーワード歴史地理学 / アイヌ / 蝦夷地 / 狩猟採集民 / 集団の空間的流動性
研究概要

集団の空間的流動性は, おもに移動性の高い狩猟採集社会で確認されてきたが, 移動性の程度と集団の空間的流動性の程度の関係が必ずしも明確ではなった。本研究の目的は, 定住性が高いアイヌを事例に, 定住性の程度と流動性の程度の関係を分析することであった。1856〜1869年の東蝦夷地三石場所におけるアイヌの27集落を対象として集落の存続期間を求めた結果, 最低1年間, 最高14年間, 平均4.4年間であった。全期間中に消滅した集落は18, 新たに形成された集落は14, そして14年間ずっと存続し続けた集落は3であった。分裂の流動性が高い集落(S<0.82)および結合の流動性が高い集落(J<0.79)は, いずれも集落の存続期間の長さには関わりなく多くみられた。このように, 集落の空間的流動性の程度は集落の存続期間の長さとは関係しなかった。消滅した集落の分裂の流動性は存続し続けた集落よりも低く, 新たに形成された集落の結合の流動性も存続し続けた集落よりも流動性が高いという傾向はとくに認められなかった。この結果は, アイヌのように移動性の低い狩猟採集社会だけでなく, 移動性の高い狩猟採集社会においても, 移動性の程度と流動性の程度はあまり関係ぶなかったことを示唆する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] アイヌの定住期間からみた集団の空間的流動性-1856-1869年の東蝦夷地三石場所を例に-2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤匡俊
    • 雑誌名

      季刊地理学 61

      ページ: 19-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 1825(文政8)年の西蝦夷地古宇(フルウ)場所におけるアイヌの家構成員の人口構成と命名規則の空間的適用範囲2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤匡俊
    • 雑誌名

      岩手大学文化論叢 7-8

      ページ: 75-91

  • [雑誌論文] 狩猟採集民オロチョン社会における定住と農耕開始の萌芽-中国の大連図書館・魯迅路分館所蔵の資料-2008

    • 著者名/発表者名
      遠藤匡俊
    • 雑誌名

      季刊地理学 60

      ページ: 131-138

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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